プロデューサーのイワセです。
今でも忘れられない思い出の結婚式があります。
それはハワイのワタベウェディングで働いていた時にいただいたご依頼。
ご両親が昨年金婚式を迎えてそのお祝いを兼ねて両親と3人でハワイ旅行に行く計画をしています。旅行当日は結婚51周年目の年になってしますが、せっかくなのでサプライズを行いたいというものでした。
娘さまにご両親は今からオプショナルツアーに行くということでワタベウェディングの衣装サロンに連れてこられたのです。ご両親はこの時点でもまだ何も察知されていないご様子でした。
ご到着して、娘さまから『お父さん、お母さん、急に連れてきてごめんね。今日は私からプレゼント。お祝いさせてね。』と。あとは特に何の説明もなくお父さまはタキシードのご試着へ。
お母さまは娘さまと一緒にウェディングドレスを選んで試着を色々として楽しんでいらっしゃいました。この時点でもまだお二人はこれから何が起きるかも予想できていらっしゃらないご様子でした。我々もこの明らかに怪しい雰囲気に対しても一切何にもお伝えはしておりません。あくまでオプショナルツアーの一環と思っていらっしゃるご様子でした。
お母さまのヘアメイクも出来上がり、いよいよお仕度完了でご出発直前です。お父さまはずっと恥ずかしそうにしてお母さまの方を見ようともされていらっしゃらないご様子。お母さまはとても嬉しそうにずっとニコニコされていらっしゃいました。 この日のサロンにも日本からのカップルが何組かいらっしゃいましたが、お二人の姿を見てあやかりたいと一緒に写真を撮って欲しいといろんなカップルと撮影をされていらっしゃりお二人のような夫婦になりたいです!と声をかけられていらっしゃいました。
出発してこの日の会場となるカハラのビーチへ。ぼくは運転手を務めていて、ミラー越しにお二人のご様子を伺うも、それでも何が行われるのかを特に口にされていらっしゃいませんでした。いかにも優しそうなお父さまとお母さま。娘さまからもおとなしいご両親と伺っていたのですが、実は見えないところで手と手を繋いでいたりしてそうと思えてしまうお二人でした。
いよいよビーチに到着。これからプレゼントで51周年をお祝いするビーチウェディングをすることをご報告。お母さまはここで『えー!』と驚いたご様子でまたニコニコ顔に。お父さまは特にお言葉を発することもなくニコニコと。リハーサルもなくお二人のこのお式を我々スタッフと娘さまと静かに見守っていました。
お母さまの手がしっかりとお父さまを掴まれている姿にすでに感動です。
誓いの言葉もしっかりと交わされ、誓いのキス。正直、日本人老夫婦なので恥ずかしがって何もしてくれないんじゃないかなって心配してたのですが、お父さまがしっかりとお母さまの手にキスをされているのを見て震えるような感動を覚えました。そして挙式後にはギュッとハグを。
こんなアメリカ人カップルのような日本人のご夫婦がいらっしゃるんだって、驚きと感動で今後の自分のブライダル人生に大きな力をいただきました。これから半年後にアイズブライダルは生まれました。
51周年のカップルには言葉もいらない。そこには大きな愛が見えました。
一緒にいるだけで自然とニコニコとしていられる穏やかで大きな愛。
素敵でした。
もちろん企画は大成功で依頼者の娘さまともハイタッチ。
当時のぼくのいた部署は上長のぼくがこんなんだったのと、チームにいたみんなが遊び心がたくさん溢れていて、探偵ナイトスクープのようなこういったご依頼にも予算を計上して積極的に行っていました。
仕事にはやっぱり遊び心が常に欲しいですからね。
あ、この日は当時モーハワイに勤めていたシンゴ21も参加。今はロミノハワイの社長さんです。
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